Welcome to STADHI

The future of innovation is hybrid

Science & Technology + Art & Design Hybrid Innovation


STADHI is the successor programme of Creative Flow – STADHIはCreative Flowの後継プログラムです

STADHI is a transdisciplinary research group based at the Tokyo Institute of Technology (Tokyo Tech), Japan, in close collaboration with Central Saint Martins, University of the Arts London, UK. Activities are primarily funded by the World Research Hub Initiative (WRHI), an innovation platform at Tokyo Tech.

The strategy of accepting uncertainty and noise, rethinking the situation, asking new questions and transforming them into energy is the forte of art thinking, and cannot be realized by conventional science and technology alone.

Our research group is creating a new framework to challenge thinking frames, perspectives, and theories currently adopted by researchers. We publish academic publications on specialist transdisciplinary subjects and on the “hybrid” research methodologies employed. We create original artwork and multimedia material from the fusion of art and design with science and technology, and we disseminate processes and findings through events and weekly blog posts.

Upcoming Events

Our latest blogs

プロジェクトビジョン:狙いを定める~適切な問いはどこに?

この記事は野原研究室のスタッフと学生によって共同執筆され、サラニ ジョルジョ特任助教によって編集、野原佳代子教授によって日本語訳されました。引用したデータのレファレンスは、本文の下に記載されています。 野原研究室とクーパービジョンジャパンのコラボレーション紹介 → こちらをお読みください 進捗状況 クーパービジョンジャパンとのコラボレーションその後の進捗です。使い捨てコンタクトレンズ(CL)の環境への影響について、テーマ別にどのような問いと研究メソッドが見つかるか、議論を続けています。英語・日本語両方の文献レビューに基づき、学生たちはブリスター包装とそのリサイクル問題のさまざまな側面を3グループに分かれて作業しています。彼らは、資料を収集し始めてはいても、まだ研究の方向性がまだ定まっていない、学部・大学院の研究活動における典型的なフェースにいます。ブレーンストーミングでは、各グループから調査結果、主な参考資料、調査目標、および問いを定義する最初の試みがなされました。研究プロセスではどの段階でも「書くこと」が大事です。 主な3テーマが選ばれ、学生により以下のようにまとめられました。 日本におけるCLユーザーの消費者行動 消費者行動に関する文献レビューでは、重要なファクトが浮き彫りにされ、日本という文脈でのデータをさらに集めギャップを埋める必要があることがわかりました。リサイクル政策やCOVID-19パンデミックの影響も背景とした、興味深い行動パターンが指摘されています。  日本では、CLを使用している若者(15〜24歳)の26%が使用済み製品を自宅で廃棄しています。燃えるごみ(市町村によっては燃えないごみ)としての処分が求められる中、洗面所、流し台、トイレに捨てる人もいます。別の研究では、CLを使い始める年齢層は、勉強やクラブ活動に積極的な高校生であることが指摘されています。日本眼科医協会によると、小学生の0.2%、中学生の8.0%、高校生の27.0%がCLを使用しています。購買習慣に関する調査によると、大学生の最大22.5%がコンタクトレンズをインターネットで購入したと報告しており、コンタクトレンズ装用者の世界平均年齢は31歳となっています。 アメリカと日本のコンタクトレンズの消費者は、年齢分布は似ていますが、廃棄行動が異なります。 2016年の調査によると、米国では青年(12〜17歳)の14%、若年成人(18〜24歳)の24.4%、高齢者(25歳以上)の15.5%がコンタクトレンズを着用していました。装用者の中で、成人の90.4%と青年の87.8%がソフトコンタクトレンズを着用しています。残念ながら、アメリカのコンタクトレンズ装用者の40%〜90%は、廃棄方法の指示に正しく従っていません。  CLの使用頻度について、Covid-19の影響を見るインターネットアンケート(日本)では、35.6%が以前より使用頻度が低く、9.6%がより高く、半数以上(54.8%)が変わらないと答えています。興味深いことに、8.8%は、Covid-19により眼科医や店舗からの購入からオンラインショッピングに切り替えています。その結果、最近では眼科医や店舗(48.4%)より多くの人がCLをオンラインで購入しています(51.0%)。  まとめると、これらの調査結果は、高校生層を調査していくこと、またパンデミックが購買行動に及ぼす影響を考慮に入れつつ、今年秋に取り組むデザイン提案と介入を周知していくことの有用性を示していると言えるでしょう。  このグループでは、アンケート調査と半構造化インタビューがデータ収集に適しており、相関分析(線形回帰など)を使用して調査結果を生成することを検討しています。他にも挙げられている副次的な問いについてはさらなる文献レビューやデータ収集で今後取り上げられていくかもしれません。たとえば「日本の法律はCL業界と消費者にどう影響しているか?」 「CLの材料が作ってしまっているループを閉じて、循環経済に貢献していくことは可能か?」などが議論されています。 CL製品とパッケージングに関する問題 第2グループの学生は、CLのデザインとパッケージング、およびCLユーザー行動に関する問題を検討しました。レビューされた論文は他グループと部分的には重複していましたが、異なるアプローチを通し以下5つを発見しています。 簡易購入ルートによって、適切な説明が受けられない可能性 最近の調査によると、インターネット販売が割合としては最も高くCL購入の40%を占めており、眼科および眼科関連店、CL専門店がそれに続きます。 CLは(視力矯正を目的としないカラーCLを含め)医療機器であるにもかかわらず、オンライン販売の普及もあって、医師の処方箋なしで販売されることも多いのです。 購入者のうち80%が、眼科、眼科関連店、CL専門店で購入時に眼科医の診察を受けることを勧められていますが、約60%はオンライン小売店での購入時に受診を勧められていません 。これは、購入段階で推奨事項へのアクセスが確保されていないことを意味しており、他の調査で散見されている、不適切な使用や廃棄パターンに関連している可能性があります。 適切な指示に従わないことで眼のダメージが悪化する可能性も  性があります。重度の眼疾患におけるCLの不適切な使用や健康診断の多くの症例が報告されています。ある研究では、重症例の50%以上が、示された使用期間を観察しませんでした(つまり、1日使い捨てCLを1日以上使用するか、2週間の交換レンズを2週間以上使用する)。定期健診は3ヶ月ごとに行うことをお勧めしますが、行われないことがよくあります。特に、インターネットでレンズを購入する人の40%が、2〜3年以上おきに検査をしていると答えています。  カラーレンズ使用者の適切な使用に対する意識の低 さ購入時の目の検査の割合は、クリアレンズよりもカラーレンズの方が低くなっています。中学生と高校生の調査によると、特に購入の前後に、多くの人がカラーCLの目の検査を受けていません。 CL着用者の10人に1人が眼の病気に苦しんでおり、色付きのCLを着用することによって引き起こされる症例の数は増加しています。カラーCL着用者のコンプライアンスが悪い主な理由の1つは、製品を購入する前に眼科医を訪問しないことであると考えられています。 CLの使用後処理への関心が低い 多くのCLメーカーは、使い捨てCLの環境への影響に敏感です。 CoopervisionJapanが環境政策について話し合う 彼らのウェブサイトで、明確な生産と廃棄物削減のための措置を含みます。 Meniconのウェブサイト(別のCLメーカー)は、コンタクトレンズの海洋プラスチックの問題について言及しています。レンズが排水口を下るとき、それらはマイクロプラスチックになり、海に行き着きます。実際、日本コンタクトレンズ協会の調査によると、30%の人がコンタクトレンズをゴミ箱の外に捨てています。 CL利用者の大多数は女性 である小・中・高校生を対象にした調査では、中学生・高校生のCL利用率に性差が見られました。最も頻繁に使用する最年少の年齢層の間でさえ、CLを使用している男性よりも女性の割合が高いことを示す調査があります。 CLは眼鏡よりも見た目の印象が良いと多くの人が信じており、この見た目の認識がCLの使用における性差の理由の1つである可能性があります。しかし、私たちの学生は、ビジョンに性差もあるのではないかと尋ねました。 この背景情報を収集して確認した後、グループ2は、消費者の選択に対するパッケージデザインの影響と、CLの使用に関連する環境問題について事前に把握することの潜在的なメリットという、調査と調査を進めるための2つの領域を提案しています。それは製造会社に利益をもたらすでしょう。研究方法には、官能評価実験とさらなる調査が含まれる可能性があります。また、アンケートに続いて定量的なテキスト分析やその他の手法を使用すると、代替のCLパッケージ設計の評価に基づいて消費者の選択に関するデータを生成できます。 CLとプラスチックの日本のリサイクル方針 さて第3グループは、ブリスターケースとCL廃棄物の問題の背景にあるコンテキスト(文脈)を調査し情報を共有しています。とくに推奨されている廃棄行動について、日本のリサイクル方針を広く検討しました。 まず、ブリスターパックに「固有の」リサイクルポリシーがないことに気づきました。ブリスターのリサイクルは、Eyecityなどの民間コンタクトレンズ会社によって主導されています。日本政府は「容器・包装リサイクル法」により、リサイクル方針と3R方針(リデュース、リユース、リサイクル)を定めています。現在、日本のプラスチック廃棄物は主に燃料として燃やされていますが(つまり熱リサイクル)、「プラスチック資源の循環」と呼ばれる2022年の新方針は、プラスチック資源の再利用とリサイクル促進を目指しています。  プラスチックのリサイクルには、材料、化学、熱の3つの方法があります。プラスチック廃棄物管理研究所によると、2019年の「リサイクル」プラスチック廃棄物の割合は85%でした。しかし、日本のほとんどのプラスチックの「リサイクル」が実際には熱リサイクルであり、プラスチック資源を新材料や製品に再利用はしていないところが問題でもあります。  国の政策に加え、ごみの分別規則は地方自治体によって定められています。ブリスターパックとCLには特別なリサイクル規則はありません。そのため、CLとブリスターパックのごみ分別規則は地方自治体の判断に委ねられています。これらの製品が「リサイクル可能」と人々に認識されることはめったになく、適切にリサイクルされているのは1%未満です。一般的なプラスチックのリサイクル規則に従っている人でさえ、CLについては誤って廃棄する可能性もあります。たとえば、ソフトCLは固くなってバラバラになりやすいため、ティッシュペーパーなどで包んでからごみ箱に捨てることが推奨されています。そのため、Eyecityらの民間企業は現在、ブリスターパックの収集とリサイクルを試みるプロジェクトを実施しています。一部の地方自治体は、これらのリサイクルプロジェクトに協力しています。 このような民間企業が主導するブリスターパックのリサイクルの取り組みについては、広く一般に公開され広がりを見せています。 Eyecityのエコプロジェクトでは、ブリスターパックを収集しリサイクルポリプロピレンとして再利用しています。 各Eyecityストアまたは地元の役所に箱が設置され、ブリスターパックが収集されています。地方自治体や公立学校とも協力して周知に努め、社会に大きな影響を生み出しています。 2022年には、1940の学校、29の地方自治体、835の民間企業が協力しました。同社はまた、利益を日本アイバンク協会に寄付するなど、このプロジェクトは単なる企業主導のイニシアチブから、教育、公的、福祉組織を含むより公的な活動に成長しています。 容器包装リサイクル法では、プラスチックやペットボトルなどの材料で作られた容器や包装には、消費者、地方自治体、製造業者によるリサイクルへの貢献を促すよう、材料を指定する標識を付けさせています。担当学生グループは現在、ブリスターパッケージへのリサイクルサイン導入がどのような影響をもたらすかを調査中です。記号論的および科学技術コミュニケーション分野の文献レビューの後、統制群を設置した実験により、さまざまなデザインオプションの効果がテストされます。  デザイン研究実践に詳しく経験豊かな博士課程の学生が、さらに別の問いを投げかけています。ユーザーとの「非CLの未来」をめぐる共同投機から、会社がどのように利益を得ることができるか、というものです。 ひとつには、持続可能な開発モデルへと移行した企業の経験から、比較分析とSWOT分析によって学びを得るアプローチがあります。もうひとつのアプローチは、消費者と企業が共同で投機的なものづくりを行なうデザイン実践です。 CL消費者の視点にもとづくデザイン実践の影響を明らかにするには、観察と半構造化インタビューの手法が採用されます。 ここから、次のステップへ 文系レビューをチームに提案してから1週間のうちに、学生たちは、使い捨てレンズの製品デザインと消費者行動を調査し、研究目標をより明確にしてくれました。教員たちは各トピックについて意見しサポートするとともに、一般的な研究プロセスの面で、学生たちに足りない知識を折にふれ提供していきました。特に、正確かつ関連性のある問いを生成することと、時間制限内で問いに答える実現可能な手法を提案することの間で、行ったり来たりを繰り返しました。最終的には、「研究方法」とは何か、きちんと形式に則った定義をここで導入する必要性が指摘され、プロセス全体における位置づけと他のコンポーネント(理論的枠組み、仮設、研究デザインなど)との関係が説明されました。実際のところ、こうしてラボ全体でProject Visionに取り組むことを通して、学生たちは各自の研究に必要な、知識とスキルを統合し実践するプロセスを体験をしているのです。不足しているものが浮かんでくれば、たとえば理論的知識をどう実践に活かすか、このプロジェクト内で体験できます。たとえば「研究方法」について考慮すべき点をグループディスカッションの場に直接適用するなどが行なわれています。 最後のセッションでは、これまでに得られた「問い」のいくつかが、よりシャープに明確化されました。また、質問紙調査を適切に設計することで、部分的にはそれらに対する答えが得られる可能性があることが確認されました。先行文献ではまだ明らかになっていない側面について、新しい結果が得られる可能性があります。再び1つのチームとして作業し、次のステップでは、学生と教員が協力して質問紙を作成し、サンプリング戦略について相談していきます。この夏の後半には、実装計画が整うでしょう。…

Continue Reading プロジェクトビジョン:狙いを定める~適切な問いはどこに?

プロジェクト・ビジョン2022@野原研究室、   始動。

東工大野原研究室では、コンタクトレンズの大手メーカー、クーパービジョン・ジャパンとの新コラボレーションを開始しました。コンタクトレンズ製品の、製造工程が環境に与える影響は少なくありません。使い捨てプラスチックへの依存を減らそうと、世界規模の模索が始まっています。プラスチックは化学的・物理的に弾力性を持ち、何年にもわたり使用可能な素材です。それがマイクロプラスチック(マイクロビーズ、マイクロファイバー)にどのように置き換わっていくかは、科学者、エンジニア、デザイナー、メーカー、消費者全てに関わる問題であり、よりよいソリューションが必要です。産業界を見渡すと、プラスチックをより環境に優しい材料に置き換えていく(または少なくとも使用を減らしていく)方向が一般的です。しかし医薬品やヘルスケア産業では製品を安全に包装することが重要であり、現在ポリプロピレンなど無菌で安価なプラスチックに頼りがちです。使い捨てコンタクトレンズ製品もこれに含まれます。 クーパービジョンは、米国カリフォルニア州のサンモランに本社をおき、世界130カ国で事業を展開するグローバルメーカーです。年間数十億枚のコンタクトレンズを生産・販売し、その有効性と利便性は、コンタクトレンズユーザーに高く評価されています。日本では東京本社の他、7都市に拠点を置いています。コンタクトレンズは高度管理医療機器であることから衛生面を重要視し、レンズは液体に入った状態でポリプロピレン製のブリスターケースに収められ、アルミでフタがされています。環境問題への懸念が高まる中、製品の適切な使用と廃棄へのアプローチを模索し、同社は今年度、野原研究室と、共同企画「プロジェクト・ビジョン2022(PV22)」を開始しました。前期(1・2Q)の研究成果をもとに、後期(3・4Q)は学生による提案を公開発表します。 PV22の目的は、日本におけるコンタクトレンズの包装と廃棄について新しい知見を得、最終的にはデザイン介入を通じて、スペキュラティブ(仮想・思索的)でありながらも実用的な解決策を社会に投げかけることです。この研究は、野原研究室で開発された学際的アプローチを例証するものであり、分野の境界を越えて共同で研究を行う方法論を示す機会でもあります。その意味でこのプロジェクトは研究室活動のコアとなり、学部生、大学院生全員が参画しています。 毎週行われる教員とのディスカッション、クーパービジョンとの定期的な意見交換を通じて、学生は文献調査から問題の定義、手法の選択、データ分析、執筆まで、自分自身のプロジェクトにも役立つ学術的スキルを身につけていきます。また技術的分析、根拠に基づいた報告書など、クライアントの要望に応えるためのコンサルティング業務も体得していきます。 学生たちはまず自主的に調査を行い、最初の発見したことをチームに発表した後、自らの考察を書きました。2022年4月から5月にかけて行われた文献調査では、プラスチック廃棄物問題の地球規模での広がりが指摘され、同時に野原研究室の学生が持つさまざまな興味や背景も浮かび上がってきています。 コンタクトレンズの入ったブリスターケースは、リサイクル可能なポリプロピレン(PP)製ですが、小さいので廃棄物処理プロセスにおいて適切に分別・リサイクルされず、一般廃棄物に混ざって埋め立てられてしまうことがよくあります。レンズ自体は別の種類のプラスチック(シリコーンハイドロゲル)であり、重さは水泡の数分の一しかないため、環境への負荷は小さいように思われがちです。しかし米国での調査では、20%以上のユーザーがレンズを定期的にトイレに捨てていることが判明し(Rolsky et al. 2020)、計算によると 英国だけでも毎年7億5000万個以上のプラスチックレンズが排水溝に流されたり埋められたりしていることになります(Optical Express 2022)。これらのレンズはマイクロプラスチックとなって海を汚染し、海洋生物を危険にさらしています(Chen他 2022)。 こうした問題の重要性にもかかわらず、世間の認知度は低く、レンズを正しくリサイクルしているユーザーはごく少数(本資料では1%未満)であるという調査結果が出ています。さらにコンタクトレンズ専門店が行った調査では、会員6,500人のうち約7割が、空のケースがリサイクル可能であることを知らなかったという結果が出ています(朝日新聞 2019年2月12日)。アイシティのような既存のプロジェクトはこうした問題に取り組んでおり、製造会社による環境持続性への取り組みを証明すべく競い合い、変化を起こし始めています。しかしこの問題は解決されるにはまだ程遠く、野原研究室の学生たちがあらためて取り組むべき、明確かつ重要な課題となっています。 製造プロセスと使用者の行動両方が、環境に影響を与えています。議論において、それらを軽減する上で包装デザインが中心的な役割を持つことを強調する学生もいます。ブリスターの代替デザイン(軽量化、バイオプラスチック製など)や、レンズと包装の適切な廃棄を促すメッセージ(「この製品をリサイクルしてくださってありがとう」など)を組み込んだ包装デザインなど、いくつもの可能性が注目されます。研究者であるYuo and Yoshida (2009)は「ゴミを分別してくださってありがとう」といった感謝のメッセージが、無分別な行動の抑止に有効であることを指摘しています。2名の学生は、タバコのパッケージに添えられたメッセージとの類似性に注目しています。たとえばタバコのパッケージは、ユーザーの行動に影響を与えるパッケージ例として、よく研究されています。個人のライフスタイルを変えることは難しいですが、コンタクトレンズのパッケージに環境に優しいメッセージを添えることで、どのように消費者が持続可能性へ貢献するようになるかについては、研究する価値がありそうです。 リサイクル工学もチームの関心のひとつです。レンズを適切に廃棄するユーザーへのインセンティブや報酬の必要性を主張する学生もいます。東工大融合理工学系の高橋史武准教授が、PETのリサイクルを促進する効果的なデザイン戦略を開発する論文をもとに、PPブリスターのリサイクルに重要な教訓を見出す学生もいました。初期の段階で得られたアイデアとしては、スーパーマーケットなどの公共スペースに専用の回収ボックスを設置する、家庭に回収用の箱や封筒を提供するなどの工夫により、ブリスターのリサイクルの手間を軽減するソリューションが挙げられます。 この問題をめぐって、一般の人々を感化するビジュアル・コミュニケーションの役割についても、先輩学生により指摘されました。使い捨てコンタクトレンズから出るプラスチック廃棄物は、他の活動から出る廃棄物の量に比べれば、取るに足らないものとして見過ごされがちです(Morgan et al. 2003)。使い捨てコンタクトレンズのライフサイクルを具体化して示すことで、マイクロプラスチック汚染についての理解を深めることができます。リサイクル習慣やその他の関連データを視覚的・物理的に表現したインフォグラフィクスを用いることが、ひとつの解決策となるかもしれません(ポジティブな例としてPerpetual Plasticがある Klauss et al. 2021)。またある博士課程の学生は「使い捨てコンタクトレンズの材料の持つ特性と廃棄をめぐる文脈は、データでしかなかったものを実体化し、マイクロプラスチック汚染に関する人々の感覚形成に役立つのは」と考えています。「コンタクトレンズの水泡をどのようにアート作品に変換できるか」「ガベッジ(廃棄物)アートによって、より良い未来を想像させることができるか」、最後に「ゴミをガベッジアートに変えることで、【制御する技術】を【解放する技術】に変えることは可能か」などの問いも挙がっています。 野原研究室の学生たちはこのように、プラスチックと環境問題、そしてクーパービジョン・ジャパンとのコラボにおける取り組みを開始しています。今後、さらに文献を調査し、見えてきている傾向やテーマについて、より深く掘り下げていく予定です。次のステップとしては、クーパービジョンを始めメーカーたちが開発した持続可能ソリューションについて検討し、ブレインストーミングを通して主要な研究課題を決定していきます。その後はグループに分かれ、焦点を絞って専門的な調査を行うことになります。このブログでは、2年間を通じ、プロジェクト・ビジョン2022に関する進捗を定期的に報告してまいります。 参考文献 Charles Rolsky, Varun P. Kelkar, and Rolf U. Halden (2020) Nationwide Mass Inventory and Degradation Assessment of Plastic Contact Lenses in US Wastewater, Environmental…

Continue Reading プロジェクト・ビジョン2022@野原研究室、   始動。