JSPSDフィールドトリップ報告 生徒K.M.さん

JSPSDフィールドトリップ報告書

JSPSDで実施した広島、高松、豊島、京都、大垣へのフィールドトリップ(6月4日~10日)の報告を参加した生徒の皆さんに書いていただきました。

以下、生徒K.M.さんの報告です。


JSPSDフィールドワーク 成果報告

1.概要

平成29年6月4日~6月10日にわたり、広島の原爆ドーム及び宮島、香川県豊島、京都府各地、岐阜の大垣北高校を訪れた。

2.所感

2.1 原爆ドームにて

原爆ドーム及び平和記念資料館を訪問した。平和記念資料館では、一瞬にして12万人の命を奪った原爆が、いかに誕生し広島に投下され、その後の復興に至ったかの展示を通した。技術者として、技術を生み出すことに加え、それをどのように利用していくかまで熟慮することが重要だと痛感した。その過程で沢山のステークホルダーが登場するが、時代の風潮や目先の利益にとらわれることなく、数年後や数十年後のことまで考えそれぞれの利害関係を比較し、世に技術を送り出すべきであると学んだ。また、過去に起こってしまった戦争の残忍さや不条理さを学ぶことは、戦争に対しての絶対的否定感を持つことへの第一歩であり、技術者に留まらず全ての人々が行い、戦争に対する寛容的な雰囲気を世界全体でなくしていくことが、世界的な持続可能性を可能にすると感じた。

2.2 豊島にて

豊島問題を主とするゴミ問題について学んだ。産業や工業廃棄物は先進国の中でもトップの排出量で、特に焼却による大気汚染が深刻な問題だったと学んだ。豊島問題は1975年頃発端したが、40年が経った今でも廃棄物のあった場所は更地でとても開発が進むようには見えず、持続可能な開発においてゴミ問題は大変重要な要素であると感じた。

また、日本とアメリカにおける、廃棄物処理の問題や国民の意識の違いに驚いた。日本では分別や3Rに対する意識が比較的高いが、ほぼすべてのゴミを焼却して廃棄するため、どれだけそれらを意識しても大気汚染は進んでしまう、ということが衝撃だった。逆にアメリカの学生にゴミ問題について聞いたところ、アメリカでは分別がなく、広大な土地にゴミをそのまま埋め廃棄するため、大気汚染でなく土地汚染、汚臭問題が深刻だと聞いた。どちらのゴミ処理の方法も将来性が乏しく、必ず限界が来てしまうので、より良い処理の仕方やそもそもゴミをどう減らすか、根本的に考えなくてはならないと感じた。

2.3 大垣にて

大垣については、ある程度の事前調査を行ったため、実際に街並みをじっくり観察できたと思う。全体的に、大垣市は思っていたより住みやすい街だと感じた。駅はとても大きく、ダイヤも充実していたので問題はなかった。駅前のショッピングモールはとても大きく、建物自体が二階建てで駐車場も屋外といったアメリカのようなスタイルで、東京との地価、及び土地の使い方の違いを感じた。大道路が多く、歩道は自転車用と歩行者用に分かれており、交通設備は整っていた。また、駅には大きなポスターで「大垣暮らし応援します!」「はじめませんか?大垣暮らし」といった宣伝がされており、自治体も大垣に住民を呼び込むべく、訪問者に対しての広報にも力を入れているのだと感じた。

大垣北高校で高校生にインタビューした際、将来最終的に大垣で住みたいと言っていた子は全体的にとても少なかった。彼らの多くが大学は名古屋や京都、大阪に行き、将来はそれらの土地で暮らしたいと話しており、大学生の大垣離れが大垣における少子高齢化の一つの要因であることを肌で感じた。とはいえ、偶然ではあると思うが、私が話した生徒の多くは家族代々大垣生まれ大垣育ちで、大垣のことが好きだから大学卒業後また戻ってきたい、と話していたので、家庭環境はこれらの問題に大きく影響すると実感した。