JSPSDフィールドトリップ報告 生徒S.K.さん

JSPSDフィールドトリップ報告

JSPSDで実施した広島、高松、豊島、京都、大垣へのフィールドトリップ(6月4日~10日)の報告を参加した生徒の皆さんに書いていただきました。

以下、生徒S.K.さんの報告です。


出張報告
まず,本フィールドワークにおける実践活動を大まかに以下に述べる.主にフィールドワ
ークでは以下の地域を訪れた.
1. 広島市
2. 豊島(香川県)
3. 京都市
4. 大垣市(岐阜県)

広島市では原爆ドームと平和記念公園,宮島を訪問,豊島では産業廃棄物の不法投棄が深刻
な問題とその処理で有名な施設の見学を行った.また,大垣では現地の少子高齢化の問題や
人口流出産業の空洞化などの社会問題を現地の高校生を交えて意見を聞いた.
本講義のテーマである「持続可能な開発」を目的とした都市開発は大まかに 3 つの項目
に分けられる.1 つ目は環境への負荷,2 つ目は社会への影響,そして我々の暮らしへの影
響である.豊島では環境問題と社会に対してごみ問題が与える影響と関連性を実際に現地
に勤める方から伺った.大垣では社会への影響がどのようにして現地の住民へ影響が与え
られるのか,実際の高校生の視点から意見を聞いた.また,その他にも広島や京都など伝統
的な街並みや伝統的な催し物など,周囲の環境と社会および住民とのつながりを歴史的な
視点から着目する機会となった.
特に,都市問題解決のための有用となった情報を詳しくここでは述べる.特に,豊島と大
垣市のケースに注目する.豊島では産業廃棄物が不法投棄され,県及び地方自治体が処理を
追う形となったが,日本全体におけるごみ問題の現状を改めて再確認することとなった.日
本におけるごみ処理は主に焼却炉で燃焼することで容積を減らし埋め立てする形となって
いるが,これは世界的には珍しく,他国ではダイオキシンなどの発生が問題で一般的に埋め
立てをするのみでリサイクルなどのごみを減らす方針をとっている.それに対して日本で
は品質管理や製品の安定供給を目的として厳しい賞味期限,消費期限の規則が設けられて
おり,それらによって多くの製品がごみとなってしまう現状がある.これらの方針の違いは
政府における見解の相違から生まれたもので,結果としてそれが日本全国規模の問題に発
展してしまっているということであった.これらの原因もしくは考察は汚染ガスの排出量,
ごみの定義,埋め立て地面積などさまざまな要因から計算されるもので最適解の定義が難
しいということが言える.それぞれのケースについてモデルを詳しく作成し,事前の想定内
容や基準をしっかりして共有する必要があることが分かった.大垣では,町の歴史や自然的
景観,観光地など町の主要産物と人々の将来の進学先など,実際の意見から人口流出へつな
がる問題,そして人々を最終的に故郷へ定住するケースを探し,解決策のためのヒントとす
ることができた.