2018/6/12
先日のWatkins教授の講義を受けて、本日は東京におけるさまざまな交通機関の視察(トランジットツアー)を行いました。
まず、品川駅へ向かい、技研という会社について、中でもエコ・サイクル、エコ・パークという地下の駐輪・駐車システムについて学び、それらを実際に見学しました。
エコ・サイクルとは、地下の空間を効率よく利用し、地上に快適な環境を提供しようというコンセプトをもとに開発された、機械式駐輪場です。地上にはコンパクトな⼊出庫ブースのみが設置され、地下空間に1基あたり200 台以上の⾃転⾞を収容することができるそうです。建設、設置にかかる時間も約2か月と短く、これまでに品川以外にも、自由が丘や六本木などに設置されています。エコ・サイクルは混雑した駐輪場の撤去に貢献しているだけでなく、迷惑駐輪の解消、盗難防止、そして⾃転⾞利⽤の促進、の効果も見られているようです。エコ・パークは同じコンセプトの下に開発された、機械式駐車場となっています。
学生達は、このシステムに大変興味を持っており、ジョージア工科大学(GT)生は「ぜひ、GTに欲しい!アメリカに持っていきたい。」と声を合わせていました。都市化が進み、人口密度がさらに高くなっている中、こうした空間の有効利用方法が、都市開発におけるサステナビリティを成功させていく上で、大切になってくるのではないでしょうか。
技研の皆様、会社の、そしてエコ・サイクルなどの商品の説明、また、実際にそれらの見学と、対応していただき、お世話になりました。学生一人一人の質問にも丁寧に説明していただき、ありがとうございました。
(技研のウェブサイトより、エコ・サイクル、エコ・パークについて:https://www.giken.com/ja/products/developments/)
写真 品川駅近くのEco-cycle
エコ・サイクル見学では質問が絶えませんでした。ちなみに、実際の使い方としては、自転車を自身のICカード(SuicaやPasmoなど)、もしくはエコ・サイクル用に作ることのできるICカードと共に登録し、その際ICチップが自転車に付けられます。そのICチップがある為、駐輪の際は、特に何もする必要がなく、自転車を既定の位置にとめるのみです。取り出しの際は、登録時に使用したICカードをを鍵代わりに利用し、既定の場所にタップすることで、自動的に自転車が出てくるというシステムです。私自身、実際に、自転車を入れ、取り出してみましたが、とても簡単でした。
技研を後にし、残りはWatkins教授によって用意されたスケジュールをもとに、様々な電車を体験しました。このスケジュールは、Watkins教授が以前から知っていた情報、文献調査や友人からの情報の他、交通機関に詳しいグループ内のクラウドソーシングで得た情報を網羅して作成したそうです。
ルート:
品川ー(山手線)ー浜松町ー(東京モノレール)ー天王洲アイルー(りんかい線)-東京テレポートー(歩き)ーお台場海浜ー(ゆりかもめ)-新橋ー(山手線)-東京ー(中央線)ー新宿ー(副都心線)-渋谷
それぞれの駅でWatkins教授は、特徴や歴史などを説明してくださいました。Kennedy教授の授業でもあったメガ地域ともリンクする交通機関の重要性について、実際に、存在する機関を利用することで、学生達はより理解を深めることが出来たのではないかと思います。
写真 新宿で、スイカとの記念撮影
本日は、日本の(東京の)交通機関と社会の繋がり、そしてそれから学べるサステナビリティについて考える一日となりました。東京で育った私にとっても、普段、意識しない点(交通機関の技術的な違い、自殺防止に取り付けられた青いライト、主要駅でのモスキート音)に気付いたり、と発見の多い一日となりました。
写真 新宿バスタ周辺、モスキート音に苦しむ学生達
記録:庄司 (Kanaha Shoji)
2018年5月ジョージア工科大学、環境工学部を卒業。JSPSD2018を研究員として補佐。