日本文化に適した科学技術リテラシー教育と社会受容研究― 戦後の理科教育改革分析から
第二次世界大戦後、GHQ主導で編纂された教材『小学生の科学』『基礎科学教育叢書』等の分析と関連調査を通じ、占領政策の一環として科学リテラシーを育む戦後理科教育の試みがどのように形作られたのかを多面的に研究しています。
戦後の理科教育は、アメリカ発の自由主義的な生活単元型・問題解決型の教材でありながら、科学的現象や法則を日本的にナラティブ化した「日本語の科学読み物」の特異な文体と形式(言語・挿絵)を持っていました。児童に科学を主体的に読み取らせようとする文体は、科学知識の供給のみでなく、批判的思考力を含むジェネリックスキル育成に効果があろうことが示唆されました。日本文化に即した科学リテラシー教育の一形態として位置づけられます。
科研費基盤研究(C)23501058