JSPSD参加に対する感想と証言 生徒K.M.さん

JSPSD参加に対する感想・証言

今回JSPSDに参加した生徒の皆さんに感想と証言を書いていただきました。

以下、工学部高分子工学科所属3年、K.M.さんの回答です。


Q1.どのようにしてJSPSD を知りましたか?

4月4日配信の国際交流メールニュースで初めて知り、履修を決めました。その後は、グローバル理工人コースのメール配信でのみプログラムの案内を見ました。

Q2. JSPSDに参加した動機(目的)は何ですか?

3年次2Qだけ学科の必修授業がないため、「普段できないことをしよう」と漠然と考えており、以前から留学や他学科の授業受講を選択肢に挙げていました。2年の春休みにTOMODACHI STEM @Rice Universityというプログラムに参加し、5週間米国にて研究活動をした中で、沢山のPh.D.生や教授、社会人の方と話す機会がありました。一方、年が近い学部生との交流はほとんどなく、「英語を通して、教わるだけでなく、同世代の人たちと話し合いながら共に学びたい」と感じるようになりました。また、「5週間より長期に渡って海外の学生と交流し、気軽に連絡を取れるような深い仲の友人を得たい」とも考えていたので、10週間に渡りネイティブの学部生と交流できる点も魅力的でした。長期留学の希望はあるものの、部活・サークルや学科の授業もないがしろにしたくはなかったので、まさに”国内留学”なJSPSDは打って付けのプログラムでした。

また、SDGsなどsustainabilityについては、恥ずかしながら春休みにアメリカで初めて知ったのですが、そのプログラムの他の参加者やアメリカで出会った人たちは常識のように扱っていて、このテーマは専門や国に関係なく、知り考えなければいけないことだと思い、知見を深めたいと思いました。

まとめると、自分の中のJSPSDでの目的は主に以下の3つです。

1.英語を通して、教わるだけでなく、同世代の学生と共に学びを深める

2.同世代のアメリカの学生ととても仲良くなる

3.Sustainabilityについての知識をできるだけ吸収する

 

Q3. JSPSD に参加して、当初の動機(目的)は達成できましたか?

1については、結果的に教わることばかりでした。アメリカの学生や融合理工の学生に比べ、英語力が劣っているだけでなく、sustainabilityについての知識も軽薄で、初めは概要を掴むことで精一杯でした。英語でのグループディスカッションも、最初の方は全くついていけず気後れしました。段々と慣れてはきましたが、やはりネイティブの学生と英語でディスカッションするのはとても難しく、最後まで教えてもらうことの方が多かったです。ただ、扱っている内容には東京都政のこともあり、日本語でしか存在しない資料もネット上には沢山あったので、有益な情報を提供できるようにサーチに力を入れ、少しでもグループに貢献できるように努めました。

2については、2週目のフィールドトリップがきっかけとなり達成できたと思います。1週間にわたって、観光なども含め朝から晩まで一緒にいたので、その後も日常的な会話からグループディスカッション中まで、気軽に声をかけられるような存在になりました。グループ化したり女子トークをしたりと、日本の友人関係と似ている部分も発見し、とても面白かったです。ただ、毎週末GT学生は観光に行っていましたが、私は部活などの用事がありほぼ参加出来ず、残念でした。

3については、sustainabilityについて把握しきれたわけではもちろんありませんが、興味はより深まったように思います。JSPSDでは主に都市開発の視点で学んでおり、自分達の住む東京とアトランタについての比較や、大岡山における大学と地域の関わりについて等、身近な例を取り上げたことは面白かったです。より世界の様々な都市の問題点や解決策について知りたいと思ったし、日本や東京の掲げる政策についても興味を持つようになりました。

 

Q4. JSPSDは基本的にすべて英語で開講されましたが、英語により学んだ講義やグループ活動について、どのような感想をもちましたか?

全体を通して、自分の英語力の低さ、コミュニケーションの下手さを痛感し、今後も英語の勉強を続け、様々な機会を通して英語を話していきたいと強く思いました。詳しくはQ3の1についてのところに記しました。

 

Q5. ジョージア工科大学の学生とともに学んだ経験について、感想をお聞かせください。

学びに関してはとても真面目な人が多く、遊びに対しても全力な印象でした。グループワークの前は調べものをきっちりしてきて、納得のいく結論が出るまでは授業外も率先して集まっていました。常に自分の意見に軸をもって発言しており、時には数十分にわたって互いに意見を主張しあう時もありました。折衷案が出ることは少なく、互いの意見を否定することなく尊重しあい会話を終える姿は、お互い譲歩しそれぞれの意見を必ず含めようとする人が多い日本では、新鮮な光景でした。一方、普段から気さくに話しかけてくれる人が多く、沢山遊びに誘ってくれました。日本のことが好きで日本語を勉強している生徒も数名おり、中には日本での留学経験がある学生もいました。ずっと日本に住んでいる私より日本について詳しく、週末には私も行ったことのない全国各地に繰り出していて、日本人として私自身もより日本の文化や地方について見聞を深めていきたいと思いました。

 

Q6. JSPSDに参加して、新たに発見したこと、気づいたこと、考えるようになったことなどがあれば、些細なことでもよいので、ご教示ください。

今まであまり関心のなかった政治について、興味を持つようになりました。それまで社会問題などに対しての解決策を見出す際に、技術的な方面からのアプローチを考える機会はあったのですが、国や都市としての解決策である政策などにほとんど目を向けたことがありませんでした。授業で複数の都市を比較する際、内閣府や東京都庁が掲げている政策について調査したり、アトランタの政治体制についても知ったことで、制度をつくることによる解決法を意識するようになりました。3Qも技術経営の授業を取って、もう少し学んでいけたらと思います。

また、本当に些細なことですが、自分の住んでいる町や大学の近くの駅をよく散策するようになりました。授業で大岡山の周りをGTの学生と歩き回った時に、予想外に沢山良い場所を発見し、自分がどれだけ決まった場所の往復で生活しているかに気付きました。今までは電車で通り過ぎていた駅でも、降りてパン屋さんやカフェを覗いてみたりと、最近は散策が趣味になりつつあります。気分転換にもなるし、自分の住んでいる町の良さを知っておくことで、海外の人に自分の町や日本の良さを、身近な視点から伝えられるようになるとも思います。

 

Q7. JSPSD が来年度も実施されるとした場合、他の学生に参加・履修を推奨しますか?その理由とともに、注意すべき事項があれば、ご教示ください。

他の学生、特に学部生にもっと参加して欲しいと思います。私自身、2年生から自分の専門について約1年学び、その奥深さや複雑さを理解しきれず、このままその分野の研究を続けていく自信があまりありませんでした。そんな時に、全くスケールの違うsustainabilityについての授業をGTの学生と受講できたことは、とても有意義なものでした。詳細な知識でなく、物事の評価基準や考え方について日本にとどまらない意見を聞けたことは、とても興味深かったです。JSPSDで学ぶことはほぼ専門は関係ないと思うので、専門以外にも知見を広げたい方、単純に英語で学びたい方など、いろいろな方にオススメです。

自分の専門である化学・材料分野はJSPSDの内容に関係がありませんでしたが、それらについてGTの学生はとても良く評価してくれて、「化学は僕には難しくて出来ないから、自分の分もみおには頑張って勉強してほしい」「化学は環境問題など大きな問題にも直接的に解決に携われる分野だから、良い専門を持っているね」など、自分が普段考え付かないメリットを挙げてくれ、自分の専門に対しての自信が少しつきました。

ただ、週四日に一日4時間半の授業を受けることは、スケジュール的にも体力的にも大変でした。正直、学科の勉強は疎かにしてしまい、テストがフィールドトリップと重なるなど不都合もありました。私は部活とサークルを掛け持ちしていることもあり、授業以外の遊びや観光にほとんど参加出来ず、GT学生の誘いに大半乗れなかったことが心残りです。全力でJSPSDに取り組みたい方は、あまり授業以外の予定を入れなくていいようにスケジュールを調整できると、GT学生との距離もより縮まり楽しい時間を沢山過ごせると思います。