重力下の平面上液滴より表面張力を見積もる非反復手法
I : 図を用いる方法
以下に示す6ステップで液体の表面良力を決定できます.
詳細は文献[1]をご覧ください.
- Fig.1(a)の様に,表面上の任意点Pの r, z, および θ を測る.
- z/rを計算する.
- Fig.1(b)の様に,θ に対する曲線からQ点を決める.
- Fig.1(c)の様に,θ に対する曲線からR点を決める.
- zをFig.1(c)から読み取る.
- Eq.(1)を用いて表面張力を計算する
...(1)
ここで,
ρ[kg/m3] : 液体の密度,
g[m/s3] : 重力加速度.
単位には注意願います.例,z[m], 表面張力[N/m]..

Fig.1
Fig.1(a) と
Fig.1(b) をダウンロードできます.
II : プログラムを用いる方法
上記のステップを
プログラムで自動的に実行できます.
- Fig.1(a)の様に,表面上の点Pの r, z, および θ を測る.
- r, z, および θ をプログラムに入力.
- 液体の密度をプログラムに入力.
すると表面張力が表示されます.
Eq.(1)を使うので液体の密度は必要です.
III : 理論について
ここで用いている液滴形状の理論に関しては文献[2]に詳述されています.
(今までは,先ず英語で論文を書いて結局日本語で書かないことが殆どだったのですが,
産業界の方々のリクエストもあり今回は先ず日本語で書きました^^.)
(後日談:文献[2]の方は、Welding International誌に推薦され先方が翻訳して掲載くれたのですが、
publishの日付がオリジナルより早くなっていて、先に英語で書いたみたいになりました><.)
(後々日談:文献[1]の方も、Welding International誌に推薦され先方が翻訳して掲載されることになりました.)
IV : おまけ
リムルの表面張力は!?(準備中…)
許諾が要ると思うので…^^;
[1] 高橋,他,「重力下の平面上液滴(Sessile drop)形状から図を用いて
表面張力と接触角を同時決定する非反復的手法」,溶接学会論文集 39巻
(2021), pp.32-38.( https://doi.org/10.2207/qjjws.39.32 )
above paper is translated in English;
Welding International, v.35, Issue4-6, pp.230-239, 2021
( https://doi.org/10.1080/09507116.2021.1980294 )
[2] 高橋,他,「大体積の平面上液滴の形状情報から液体の表面張力を決定する
手法の提案とその適用性の検討」,溶接学会論文集 38巻
(2020), pp.193-198.( https://doi.org/10.2207/qjjws.38.193 )
above paper is translated in English;
Welding International, v.33, Issue4-6, pp.241-247, 2019
( https://doi.org/10.1080/09507116.2020.1866914 )
東工大高橋邦夫研究室 .